ピノ・ノワールってどんな品種?どんなワイン?

こんばんは。

ソムリエのYosukeです。

今回はピノ・ノワールという葡萄品種についてのお話をしてみようと思います。

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“カリピノ”という言葉をご存じでしょうか。略さずに呼ぶと「カリフォルニア・ピノ・ノワール」。日本では、高品質なカリフォルニア産のピノ・ノワールを称賛の意味を込めてこう呼ぶことがあります。

さて、ピノ・ノワールといえば世界で最も高価なワインのひとつとされる「ロマネ・コンティ」にも100%使用される品種として、ワイン愛好家の中で高い人気を誇る葡萄。赤ワインを語るうえでは外すことのできないもののひとつですね。

元来ピノ・ノワールはその繊細な気質から、フランスのブルゴーニュ地方でしか栽培が難しいとされていました。ですが近年、栽培技術の向上や醸造設備の発展により、ブルゴーニュ以外でも高品質なピノ・ノワールが生産されるようになってきたという背景があります。

世界的なワイン評論家である「ロバート・パーカー」氏もカリフォルニア産のピノ・ノワールのいくつかについては“99点”という超高評価を下しており、ピノ・ノワールはもはやフランスのブルゴーニュという括りを抜け出し、全世界的な品種となった感があります。


■テイスティング

「エレガントで女性的」と評されることが多いピノ・ノワール。ベリーを中心とした華やかな香りは多くのワインラバーを虜にし、その繊細な口当たりと豊かなアロマにより女性からの支持も高い傾向にあります。

そして今回紹介するピノ・ノワールの造り手は、アメリカのセントラルコーストの「モントレー」に位置する「POPPY」。

豊かな自然と気候により育まれたピノ・ノワールは、イチゴやチェリーなど赤い果実を絞ったかのようなアロマティックな香りに加え、野イチゴやカシスなど黒果実を思わせる存在感漂う表情をも有しています。

ブルゴーニュ産のピノ・ノワールに比べると芯がしっかりとしており、繊細さに野性味が加わったようなイメージ。樽により付与された香りも強すぎず弱すぎず、非常にバランスよく仕上がっております。

時間が経つにつれて赤系果実の酸味を伴うアロマがより豊かに香る一方、真逆のニュアンスであるヴァニラやクリームを思わせる樽香も複雑に絡み非常に官能的なアロマを漂わせてくれます。

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抜栓直後より妖艶に変化してゆくピノ・ノワール。

世界中で愛されるこの葡萄の裏側を、少しだけ覗いてみたいと思います。

■神はカベルネ・ソーヴィニヨンを造り、悪魔はピノ・ノワールを造った

その言葉を残したのは、20世紀後半にカリフォルニアで活躍した伝説的な醸造家「アンドレ・チェリチェフ(Andre Tchelistcheff)」です。

アンドレ曰く…世界各国で安定感のあるフルボディワインを産み出す葡萄「カベルネ・ソーヴィニヨン」が“神に祝福された葡萄品種”とするのであれば、気まぐれで繊細かつ栽培も醸造も難しいピノ・ノワールはその味わいも性質も、カベルネ・ソーヴィニヨンとは対極の存在―――。

…とすると、それでもなお世界中のワイン愛好家やワイン醸造家を虜にし続け、多くの労力や時間、そしてどれだけお金を積んでも手に入れたいほどのワインを産み出すその葡萄はまさしく「“悪魔の創りしワイン”をもたらす禁断の果実」なのではないでしょうか。

イギリス出身のワイン評論家、ジャンシス・ロビンソン(Jancis Robinson)もまた、ピノ・ノワールについて「それは疑う余地なく女性的で、栽培者、醸造者の誰をも苛つかせる品種なのだ。我々をつらいダンスへと誘い、自らが飼い馴らされることには頑強に抵抗する」と評しています。

かつてはブルゴーニュでしか味わうことのできなかった禁断の果実より造られたワイン。カリフォルニアで手掛けられ、どう開花したのか…ぜひ楽しんでいただけたらと思います。その奥深さを味わい尽くすためにデキャンタージュまたは抜栓後数日にわたって楽しんでいただくことを、POPPYのピノ・ノワールにはお勧めさせていだたきます。

Wine Drop代表 Yosuke

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Silva Family Vineyard, Arroyo Seco, Monterey